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KOF XI
主人公チームストーリー


KOF XI
主角隊 背景故事

アイルランドの首都、ダブリン。
万年ヨーロッパで最も経済発展の著しい、古くて新しい都市。
1万年以上前には氷河に覆われていたこの大地だが、海流の影響で冬の寒さはそれほど厳しくはない……はずだった。
「……シェンのウソつき」
「俺は『それほど』寒くないって言ったんだぜ、アッシュ」
申し訳程度のコートを体に密着させて、アッシュは小刻みに体を動かしていた。

愛爾蘭的首都─都柏林。
這萬年以來,是歐洲諸國中經濟發展最為卓著,古意盎然又銳意創新的都市。
在這片1萬多年前仍被冰河所覆蓋的土地,因為海流的影響,冬天的氣候理應不會太過嚴寒……理論上是這樣子沒錯。
「……神這個大騙子」
「我只是說沒有冷到『那麼誇張』而已啦,亞修。」
僅用單薄的外套緊罩住身子,亞修不斷微微活動著身體。

穏やかといっても、モスクワや北海道とはほぼ同経度のこの都市だ。
冷え込むときはしっかりと冷え込む。
二人はグラフトン・ストリートを外れ、小路に入った。
アイルランドにはパブが多い。その小路にも数軒が小さな看板を掲げていた。
彼らはそのひとつを選んで、ドアを開いた。
カウンター席にテーブルが数十個。
まだ夕刻と呼べる時間ではないが、店内には何人かの客がいる。

雖說天氣和煦,這裡也是跟莫斯科和北海道幾乎同緯度的都市。
寒冷的時節確實是天寒地凍。
兩人離開了格拉夫頓街,走進小巷。
愛爾蘭的小酒館十分多。在這種小巷弄中也有數家打著小招牌的店面。
他們選了其中一家,推門而入。
吧台旁有數十張張桌子。
雖說仍不到傍晚時分,店內已有數位客人。

典型的なアイリッシュ・パブで、客も近所の人間なのだろう、寛いだ雰囲気があった。その一卓に、カードを並べている初老の紳士がいた。
「おいアッシュ、あいつじゃねえのか?」
「かもね」
「おいそこの……えーとだな『シャムロックの花は咲きましたか?』」
ソリテアに興じていた初老の紳士は、手を止めてシェンに目を向けた。
「……どなたかと待ち合わせのようですね」
老紳士は怪訝な表情だ。

在這典型的愛爾蘭小酒館中,客人想必也是鄰近住戶吧,店內洋溢著輕松愜意的氛圍。而其中一張桌子,有個正排著卡牌的中壯年紳士。
「喂亞修,是那傢伙嗎?」
「或許呢。」
「喂那邊那位…… 記得是『白花三葉草之花可已綻放?』」
正沈浸於孔明棋中的中年紳士,停下手眼睛望向神。
「……看來似乎在等什麼人呢。」
老紳士露出了詑異的表情。

「チッハズレかよ。邪魔したな、オッサン」
アッシュは既にカウンター席に座っている。
「えーと、スタウト(黒ビール)といきたいところだけど、何か暖まる物ってない?」
カウンターの内側でポテトをマッシュしていた店主が、愛想の良い笑顔で迎えた。
「こう底冷えする時にはアイリッシュ・コーヒーが一番ですよ。旅行者の方ですか?ようこそダブリンへ」
「ああ、そいつを俺にもな」
アイリッシュ・ウィスキーをベースに、砂糖、生クリーム、コーヒーを
加えたホットカクテル。手慣れた手つきで出されたその香りがパブに広がる。

「啐,猜錯了啊。抱歉打擾到你了,大叔。」
亞修則已經過去坐在吧檯桌了。
「那個,雖然想來杯烈啤酒(黑啤酒),有沒有什麼東西能夠暖暖身子的呢?」
正在吧檯內側將馬鈴薯攪成泥的店主,露出和藹的笑容迎上來。
「像這種冷徹的時節,來杯愛爾蘭咖啡是最棒的了。您們是旅嗎?歡迎來到愛爾蘭。」
「啊啊,同樣的也給我來上一杯吧。」
以愛爾蘭威士忌為基底,加上砂糖、生奶油、咖啡調和而成的雞尾酒。熟練 地完成後,其香氣在整間小酒館內彌漫開來。

「お時間があるようでしたら、ひとつ、いかがです」
先ほどの初老の紳士が、カードを切りながら二人を誘った。
改めて見てみると、かなりの上背のある男だ。手も足も細いが、ひ弱というわけではない。筋の通った実質本意の延しさを感じさせるが、人当たりは悪くない。
「へっへっへ、いいねぇ。一勝負と行こうぜ!」
「まーったく。シェンは勝負事に目がなさすぎだヨ」
「ポーカーでいいかい?おっと、お土地柄からするとブリッジだったか」
「それはイギリスですよ。ポーカーで構いません。では……」

「若是時間容許的話,來玩一把如何呢?」
剛剛的那位中年紳士,手邊切著牌邊邀請兩人。
重新打量一番,是位身形頗為高窕的男子。雖然手腳稍嫌細瘦,但絕非贏弱。雖然看上去讓人感到有些過長,但給人的印象並不壞。
「嘿嘿嘿,好哇。來玩一場吧!」
「真是的。神的眼裡就只有分勝負這檔子事。」
「撲克牌可以嗎?喔唷,要入境隨俗的話該玩橋牌吧。」
「那是英國才對吧。玩玩撲克牌是無妨。那麼就……」

二人の前に配られる一枚一枚のカードが、定規でも当てたかのように整然と5枚配られた。
「一枚配るごとにベットしてもよろしいのですが、まずは軽く。……オープン・ザ・ゲーム」
「……」
シェンの表情がまっさきに変化した。ニヤニヤと笑み崩れて、いかにもといった様子である。
アッシュもヘラヘラと笑っているが、これはいつものことだ。
典型的なポーカーフェイスの初老の紳士と比べると、妙な取り合わせではある。

往兩人的面前派發一張張的卡牌,像是用定規丈量過般,有條不紊地配發了5張。
「每配發一張時可以下注,一開始先賭小一點吧。……OpenTheGame。」
「……」
神臉上的表情有了變化。忍俊不禁偷笑起來,看來是握了一手好牌。
亞修也是一副笑臉盈盈的樣子,不過他一直以來都是這個樣子。
與典型撲克臉的中年紳士相比,實在是相當奇妙的組合。

「俺はもちろんベットするぜ」
「……降りましょう」
「なんだよ、いきなりそりゃないだろうよ」
不満げに投げ出されたカードが全て上を向いている。キング、5、キング、55
「申し訳ありませんね。では、次を」
初老の紳士は、音もなく鮮やかにカードを回収した。
「あのさ、シェン」
「なんだよ」

「我當然是要下注啦。」
「……我就不跟了。」
「什麼嘛,沒有一下子就這樣的吧。」
不滿地將手上的牌組往桌面一攤。K5K55
「真是不好意思呢。那麼,下一回合。」
中年紳士不發出半點聲響,將牌組嫺熟地收回。
「我說啊,神。」
「幹嘛啦。」

「ポーカーフェイスって知ってる?」
「バカにすんじゃねえよ、知ってるに決まってんだろが」
「ま、いいけどネ」
紳士は、どこのマジシャンかといった手際でシャッフルして見せた上で、最後はアッシュにカットさせた。乾いた音が小気味良い。
「すごいカード捌きだね。お金払ってもいいくらいだヨ」
「これは恐れ入ります」
再びカードが配られ始めた。

「你知道什麼叫撲克臉嗎?」
「別把我當成是傻瓜,我當然知道啊。」
「嗯,那就好。」
紳士用像是變魔術一般的高超手法洗完牌,最後讓亞修切牌。俐落的聲響讓人感到心情愉悅。
「這洗牌的手法還真是出神入化呢。好到都讓人禁不住想掏錢了。」
「這可不敢當。」
重新再開始派發卡牌。

「ところでさ……。『シャムロックの花は咲きましたか?』」
「おいアッシュ、それはもう聞いたぜ」
「『春まで待てば咲きますよ』」
「なっ……テメェ!さっきは何で」
「オープン・ザ・ゲーム」
ぶつぶつと納得出来ないシェンは、カードを確認してさらに不満を募らせた。
「チッ!」
「だ~からぁ、シェン」

「話說回來……。 『白花三葉草之花可已綻放?』」
「喂亞修,那個我已經問過啦。」
「『待到春日便盛開。』」
「什……你這傢伙!剛剛幹嘛不回。」
OpenTheGame。」
嘟噥著老大不高興的神,在確認過牌組後更加不痛快了。
「啐!」
「就~說了,神。」

「ポーカーフェイスだろ?わかってるよ!それよりさっきの」
「それはあとあと。まずは勝負だヨ。あ、ボクはベットね」
「ケッ、面白くねぇ!俺は降りるぜ」
「……レイズ」
初老の紳士は、掛け金の上乗せを申請した。
しかし紙幣もチップらしき物も、テーブルの上に乗せる気配は無い。
色のついたメガネに店内の照明が反射して、その瞳の動きは伺えなかった。
あるいはわざとその角度を計算しているのではないか。

「撲克臉是吧? 我知道啦! 比起這個剛才的。」
「那個待會再說。現在牌局優先。啊,我要下注。」
「哼,不好玩! 我不跟了。
「……加注。」
中年紳士,要求提高所押的賭注。
然而在桌上,並沒有看到任何類似紙幣或代幣之類的事物。
有色眼鏡在店內的照明反射下,無法看見其視線的動向。
莫不是這也在他的精心算計之中吧。

「フーン。じゃ、ボクもレ・イ・ズ
「さらにレイズ」
「ベットラウンドは2だっけ?じゃ、もう1回レイズ~
レイズを重ねる二人だが、テーブルの上に紙幣もチップも重ねられる気配はない。
ここまできたところで、初老の紳士はテールの端に置かれていた
小さなウィスキーグラスを傾けた。

「哼。那,我也要加.注
「再加注。
「下注回數是僅限2回對嗎? 那,我再來加一注~
兩人雖然一再加注,但桌面上完全沒看到紙幣或是代幣。
走到這一步,中年紳士已無法再追加了。
他微微地傾斜著手中的威士忌玻璃杯。

「なぁアッシュ、お前、一体何を賭けてやがる」
「この人とKOFを一緒に闘ってもらえるかどうかってことだヨ。言ってなかったっけ?」
「聞いてねぇよ。じゃ、お前が負けたらどうなるんだ」
「タダで報酬をあげるだけ。勝ったら報酬も払うけど、KOFに出場してもらう」
「どっちに転んでも丸損じゃねえか」
「とっくに引退したカーネフェル使いを現役復帰させるんだから、そのくらいは、ネ」

「喂亞修,你到底是想要賭些什麼啊。」
「賭是否會跟這個人一起在KOF出場戰鬥啊。我沒說過嗎?」
「才沒說過咧。那你輸了的話要怎麼辦啊。」
「就免費給他報酬囉。若是贏了的話我也會支付報酬,希望你可以在KOF中出場。」
「不論選哪個不都穩賠不賺嗎。」
「為了要讓已經引退的卡涅菲爾高手再次重出江湖,不做到這樣不行呢。」

カーネフェル?聞きなれない単語を聞き返そうとしたシェンだったが、紳士のゲームは淀みなく、口を挟むタイミングを逸した。
「よろしいですか?では……ショウ・ダウン」
シェンはアッシュのカードに身を乗り出した。
ジャック、クィーン、777。スリーカード。
「……どうやら私の負けのようですね」
自らのカードを伏せたまま、初めて初老の紳士が表情を変えると、グラスの底のウィスキーを飲み干した。

卡涅菲爾?神聽到未曾耳聞的單詞而想一問究竟,然而紳士手上的牌局不停,沒有能夠讓他插嘴的餘地。
「好了嗎? 那麼……ShowDown。」
神探身望向亞修手上的牌組。
J
Q777。三條。
「……看來是我輸了呢。」
直接覆蓋上手中的牌組,中年紳士的表情首次有了變化,將玻璃杯中的威士忌一飲而盡。

「私の名はオズワルド。この仕事、お引き受けいたしましょう」
アッシュと、そして不承不承ながらシェンも、オズワルドの差し出した手を取り握手を交わし、交渉は成立した。
「さて、細かい話も詰めておかねば……。場所を変えましょう」
三人は席を立つと同時に、手が空いていた店主が席を片づけに来た。
アッシュはテーブルの上に数枚の紙幣を置いた。
「マスター、ごちそーさま。おいしかったヨ。メルシー

「我的名字是奧斯華。這個工作,我就接下吧。」
亞修和心不甘情不願的神,與奧斯華伸出的手互相交握,交涉成立。
「那麼,該來談談細節了……。我們換個場所吧。」
三人起身而立的同時,騰出手的店主亦剛好過來收拾桌子。
亞修在桌上放了數張紙幣。
「老闆,多謝款待。非常好喝呢。謝謝(法)

そのテーブルに、オズワルドのカードが伏せられたままになっていた。
入り口ではオズワルドがコートをまとい、今まさに外に出ようとしているところである。
三人がいなくなると、パブの空気が軽くなり、いつもの時間が戻ってきた。
伏せられたままで卓上に残されたオズワルドの手札を裏返す。
スペード、クラブ、ハート。エースのスリーカード。

桌上,奧斯華的牌組依舊覆蓋著。
在入口處,奧斯華披上大衣,正要走出門外。
三人離開後,小酒館的空氣又變得輕鬆起來,回復平日的風貌。
將覆蓋在桌上、奧斯華所留下紙牌翻將過來。
方塊、梅花、紅心。是ACE的三條。

店主が首をかしげながら振り返ると、そこにオズワルドの姿があった。
「失敬、帽子を忘れていました」
オズワルドはコート掛けから帽子を手に取ってそれをかぶり、中指で眼鏡を押し上げ、ガラス越しに店主を見つめた。店主の背中にじっとりと汗がにじむ。
「では、ごきげんよう」

店主歪著頭回過身來,看到奧斯華的身影。
「失敬了,我忘記拿走帽子。」
 
奧斯華從衣架子上取回帽子戴上,以中指將眼鏡向上一推,透過鏡片盯著店主。店主的後背不禁涔涔冒汗。
「那麼,祝您貴安。」

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