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女性格鬥家隊
 

「ゆずってあげたのよ!」と、不知火舞は力説した。
 ロンドンのナイツブリッジにある百貨店は、世界的な景気の後退もどこへやら、人種も性別もさまざまな人が買い物を楽しんでいる。もちろん彼女たちもそうした人間のひとりだった。

「我可是讓給妳了唷!」不知火舞這般強調著。

在倫敦賣著Knights Bridge名牌的百貨公司中,絲毫嗅不出一點兒全球景氣衰退的氣息,不分人種與性別,形形色色的人們都正享受著購物的樂趣。當然這兩名女孩子也是其中之一。

 

──そうよ、ゆずってあげたのよ。取られたんじゃなくてゆずってあげたの」

ひとまず買い物を終えてティールームに席を確保した舞は、紅茶の香りを胸いっぱいに吸い込み、ほっと溜息をついて大仰にうなずいた。それはまるで、自分自身を強引に納得させるかのようだった。

「──是是是,妳讓給我了。並不是我被拿走而是妳讓給我的。」

結束購物後,來到茶室佔到位子的舞,大大地吸了一口紅茶飄出的香氣,舒了一口氣後誇張地點著頭。那個樣子彷彿就像是要強迫自己同意一般。

 

「そっかー、テリーさんたち、結局いつものチームに戻ったんだね」
 とぽとぽとカップに紅茶をそそぎ、ユリ・サカザキが呟く。舞は頬杖をつき、冷ややかに笑った。

「這樣啊,泰瑞他們,結果又回復原來的老隊伍了啊。」
將紅茶徐徐注入杯中,坂崎百合也嘆了口氣。舞手托著臉,酸溜溜地冷笑道。

 

「ま、テリーはともかく、どうせあのパンツ男にはほかにチーム組んでくれそうな知り合いなんていないだろうし、せっかくのカムバックなのに参戦できないんじゃ可哀相だしね」
 間もなくキング・オブ・ファイターズが開催される。世界屈指の格闘家たちが集まる大会は、その激闘の数はもちろんのこと、誰が誰とチームを組むかということも大きな話題のひとつであった。正式なトーナメント表が発表されるまでは、ファンたちの興味はほぼその一点に集中するといっても過言ではない。

「總之,泰瑞就先不論,反正那個內褲男也沒認識別人能跟他一起組隊的,好不容易宣布要回歸卻無法參賽的話那也太淒涼了。」

"King of Fighters"開幕在即,在這個世界頂尖格鬥家聚集的舞台上,場場激鬥自是不在話下,而關於誰和誰組隊,則也是眾人所關注的焦點之一。在正式的賽程表公布之前,說粉絲們的目光全都集中在此也不為過。

 

くだんの不知火舞も、KOFの舞台に久に帰ってくるに当たっては、当然のようにアンディ・ボガードとのチーム結成を第一に考えていた。
 しかし、これもまた当然のように──舞にとってははなはだ口惜しいことに──一言のもとに却下されていた。アンディいわく、ひさしぶりのKOFには、初心に戻ってテリーやジョーたちとのチームで臨みたいから、ということらしい。
 ティーカップをソーサーに置き、ユリは安堵の笑みを浮かべた。
──でも、わたし的にはちょっとラッキーだったかな」
「え? 何がよ?」

對不知火舞來說也是,在決定回到久違的KOF舞台後,就像理所當然般,第一個就想跟安迪.柏格組隊。
 不過,似乎也是理所當然般的──對舞用非常惋惜地口吻──安迪用一句話把她給打發了。據安迪說在這次久違的KOF中,因為想要回歸原點,希望能回到當初與泰瑞、東丈所組的隊伍中,似乎是這個意思。
 把茶杯放在小盤子上,百合露出安心的笑容道。
──不過,對我來說倒是一件好消息呢。」
「欵? 怎麼說?」

 

「だってほら、こっちはもう、おにいちゃんたちとは別のチームで出場するって決めちゃってたし、これでもし舞ちゃんがフリーじゃなかったら、今回はエントリーできなくなってたかもしれないじゃない?」
「それもそうね。……あ、エントリーといえば、キングさん、ちゃんと手続きしてくれたのかしら?」
「わたしがどうしたって?」
「あ、キングさん
 いつの間にか舞の後ろに、シックなジャケットをスマートに着こなしたキングが立っていた。
「ハイ、おふたりさん」

「因為妳看,我可是已經決定不要跟哥哥他們一同組隊出賽了,這麼一來,如果小舞沒有落單的話,或許我這次會連參賽資格都拿不到也說不定呢?」
「這麼說倒也是。……啊,說到參賽資格,金姐、不知道有沒有確實辦妥報名手續啊?」
「在說我什麼啊?」
「啊、是金姐
 不知何時來到舞的身後,金穿著與其窈窕身材很搭的時髦夾克佇在那。
「嗨,你們兩位。」

 

 キングはウェイターにカフェオレをオーダーし、空いている椅子に腰を降ろした。遠目にはほっそりとした美男子のように見えるかもしれないキングだが、近くで見れば、その美貌は隠しようもない。実際、周りの席の男たちは、唐突に現れた男装の麗人に目を奪われていた。
 ソフト帽を脱いで膝の上に置き、キングは目を細めた。
──あれ? 髪切ったのかい、ユリ?」
「あ、気づいてくれました?」
「ふぅん……ショートも似合うじゃないか」
「えへへ……これを機に、わたしもキングさんみたいなオトナのオンナを目指してみよっかな~

金向服務生點了一杯咖啡歐蕾,撿了個空位子坐下來。遠遠地看會讓人誤以為是美男子的金,若是湊近一點瞧,那迷人的美貌是掩藏不住的。事實上,周圍的男士們,也正目不轉睛地盯著這位身著男裝、忽然現身的美麗佳人。
 將呢帽脫下置於膝上,金瞇起眼睛道。

──咦? 你是不是剪頭髮了,百合?」
「啊,被發現了嗎?」
「嗯……短髮也挺適合妳的嘛。」
「欵嘿嘿……我想藉著這次機會學學金姐,以變成有男子氣概的女人為目標試試~

 

「な~にいってるのよ、ユリちゃん」

はにかんだ表情で頭をかいているユリを、頬杖をついた舞が冷ややかに見やった。「髪を短くしたからってオトナになれるわけじゃないでしょ? だいたい、大和撫子なら長い黒髪が一番なんだから」
「わたしアメリカ人だも~ん」
 舞の言葉にすかさず交ぜ返したユリは、はたと何かに気づいたように、バッグの中から1冊の雑誌を取り出した。
──そうだ、ぜんぜん関係ないけど、キングさん、ちょっとこの雑誌読んでくれません? パリでトランジットの時に見かけてつい買っちゃったけど、わたし、フランス語はさっぱりで……

「你~說什麼,小百合。」

手托著臉的舞冷冷盯著一臉害臊的百合。「不可能只因為頭髮變短就會有男子氣概的吧?而且要說的話,像大和撫子那種烏黑的長髮才是最棒的啊。
「反正我是美國人~嘛。」飛快反駁舞的說話的百合,似乎想起了什麼,從包包中取出一本雜誌。
──對了,雖然沒什麼關係,金姐,能不能稍微幫我讀一下這本雜誌呢? 在來巴黎的路上看到就把它買下來了,可是我完全不懂法文……

 

「何だい?」
「これこれ、この記事!」
「ふん……?」派手な表紙を一瞥し、キングは眉をひそめた。
「KOFに参戦が予想される注目の美女……?」
「そうなの、どうも今度の大会に参戦する女性格闘家の特集らしいんだけど──
「え? それっておかしくない?」舞はぱちりと音を立てて扇子を閉じ、不服そうな声をあげた。
──わたしのところには取材なんか来てないわよ? そんな特集が組まれてるなら、真っ先にわたしたちのところへ来るのがふつうじゃない?」

「哪邊?」
「這邊這邊,這篇報導!」
「嗯……?」瞥了眼華麗的封面,金皺了皺眉頭。
「萬眾囑目、備受期待在KOF中出賽的美女……?」
「是這樣的,似乎是關於這次參加大會的女性格鬥家的特別報導──
「欵? 這不是很奇怪嗎?」舞唰地一聲闔上扇子,不服氣地說道。
──不是沒有來找我們做採訪嗎?如果真有出那樣的特輯,一般來講應該要先來我們這邊才是吧?」

 

「わたしのところにも来てないのよね。……キングさんのところには?」
「いや、ウチにも来てないよ」
「ちょっとちょっと、わたしたち元祖女性格闘家チームを差し置いて、いったい誰のところに取材に行ってるわけ?」
「えーと……香澄ちゃんとか、シャンフェイちゃんとか、あのまりんとかって子とか──でも、一番ページが多くてクローズアップされてるのは、ほら、イギリスの大富豪のお嬢さまの」
「ジェニーかい?」
「そうそう!」

「也沒有來我這邊呢。……金姐那兒呢?」
「不,也沒有來我這。」
「等一下等一下,竟然把我們這元祖女性格鬥家隊晾在一旁,到底是去採訪誰了啊?」
「這個嘛……有小香澄、小香緋、那個叫瑪琳的孩子──不過,裡面有最多頁特寫的,妳看,是那個英國大富豪的千金小姐。」
「難道說是珍妮?」
「對對!」

 

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「ジェニーって……ああ、あのハイヒールで人をひっぱたく露出過多の野蛮な女?」
 舞の言葉には明らかに毒が混じっている。ユリは苦笑混じりに肩をすくめ、チームメイトをたしなめた。
「あのさ、舞ちゃん……ハイヒールはともかく、舞ちゃんが他人の露出度のことをとやかくいえないと思うんだけど」
「わたしはいいの! あれは先祖伝来の由緒正しい衣装なんだから! ──それよりキングさん、何て書いてあるわけ?」

「珍妮是……啊啊,是那個手拿高跟鞋揍人、又穿著暴露的野蠻女嗎?」

舞的話中明顯帶刺。百合臉帶苦笑地聳了聳肩責備道。
「我說那個啊,小舞……高跟鞋姑且不論,我覺得小舞本身沒什麼資格說人家穿著暴露吧。」
「我那樣穿很好啊! 那可是從先祖時代一直傳承下來的正統服裝呢!──比起這個,金姐,那上面還寫了些什麼?」

 

「えーっと……
 カフェオレをすすり、キングは特集記事に目を通した。
……これはあれだね、何というか──女性格闘家の、世代交代というか」
「は? 世代交代?」
「新時代の格闘女王は誰だ、みたいな感じで組んである特集だよ。インタビューを読むかぎり、ジェニーもKOFに出場する気みたいだね」

「這個嘛

小啜一口咖啡歐蕾,金將通篇特別報導瀏覽了一遍。
……這篇是在講,該怎麼說呢──關於女性格鬥家的世代交替。」
「哈? 世代交替?」
「新時代的格鬥女王是誰呢,類似那種感覺所寫的特別報導唷。訪問內容看來,似乎珍妮也打算要在KOF中出場的樣子呢。

 

「出場する気って……え? まさか、女の子ばっかりのチームじゃないわよねぇ?」
「いや、そのつもりらしい発言をしてるね。このインタビューの時点では、まだエントリーを締め切ってなかったようだから、はっきりと誰と組むとは明言してないけど」
「へー、それって何だか面白そうじゃない。ね、舞ちゃん?」
 紅茶にミルクを垂らし、ユリは上目遣いに舞を見やった。その唇が、悪戯っぽく吊り上がっている。

「有出場的打算……欵? 該不會是、想組一個整隊都是女孩子的隊伍吧?」
「嗯,從發言來看似乎是這個意思。看這篇報導採訪的時間,是在報名截止日之前,所以也沒講明白到底是要和誰一起組隊就是。」
「嘿、這不是挺有意思的嗎。妳說對不對啊,小舞?」
 將牛奶倒入紅茶中,百合眼珠子朝上盯著舞。露出一副不懷好意的笑容。

 

「考えてみればそうよね……もし本戦で当たるようなことがあれば、世界数億人の視聴者の前で、どっちが真に最強の美女軍団かってことを証明できるわけだし」
「あ、でもそれ以前に、この子たち本戦に出てこられなかったりして」
「あー、ありえるかも! 急造チームなんかで勝ち抜けるほど甘くないもんね、KOFって」
「そうだよね~
「何をいってるんだか……
 手に手を取り合ってにやにや笑っている舞とユリを見やり、キングは小さく咳払いをした。
「あんたたち、調子に乗ってると思わぬところで足をすくわれるよ?」

「仔細想想的確是這樣呢……若能夠在決賽中碰頭的話,就可以在全球數億觀眾的面前好好地證明到底誰才是真正的美女軍團了。」
「啊,不過在那之前,這些孩子們是否能一直留到決賽還是未知之數呢。」
「啊、很有可能! 這種臨時成軍的雜牌隊伍,就痴心妄想能在KOF中一路過關斬將,實在是好傻好天真吶。」
「說得沒錯~
「在說些什麼啊……
 看著百合與舞兩人手握手相視而笑,金輕咳一聲。
「妳們兩個,太過得意忘形的話搞不好會在哪兒陰溝裡翻船喔?」

 

「だってぇ……
「キングさんはアタマ来ないわけ、こんな記事書かれてるのに?」
「別に」
 雑誌を閉じてユリに突き返し、キングはカフェオレを飲み干した。
──よそのチームが何をいおうと誰が何といおうと、そんなこと関係ないね。わたしはただ、すべての試合で全力を出すだけさ」
「それは……わたしたちだって、もちろんそのつもりですけど」
「じゃあいいじゃないか。……それよりほら、行くよ」
 キングは立ち上がって天井を指差した。

「可是……
「金姐難道就不來氣嗎,即使報導這樣子寫?」
「不會啊。」闔上雜誌交還給百合,金將咖啡歐蕾一飲而盡。
──不管別的隊伍說了些什麼或者是誰說了些什麼,那種事情都與我無關。我所需要的只不過是在每一場比賽中都全力以赴罷了。」
「這個……我們、心裡也是這麼打算的啦。」
「那樣不就夠了嗎。……不說這些了,走吧。」金站起身來手指著天花板。

 

「え? 行くってどこに? キングさんのお店に行くんじゃないの?」
「その前に、ここでドレスでもオーダーしてこようかと思ってね」
「ドレス!?」舞とユリは顔を見合わせて素っ頓狂な声をあげた。
「どうしてドレスなんか──
「そうよ、ふだんキングさん、ドレスなんて着ないじゃない」
「確かにそうだけどね」
 年下のチームメイトたちを肩越しに振り返り、キングはぱちんとウインクした。

「咦? 要走去哪啊? 去金姐的店嗎?」
「在那之前,我想先去訂做一下禮服。」
「禮服!?」舞和百合那人互看了一眼發出驚叫聲。
「為什麼要去訂做禮服啊──
「對啊,平常金姐不是從來不穿禮服的嗎。」
「確實是這樣沒錯。」
 金回過頭來朝年輕的隊友們眨了眨眼。

 

──祝勝パーティーには、それなりにきちんとした恰好で出たいじゃないか」
「祝勝パーティーって……
 呆然とその言葉を反芻した舞は、時間差で小さく噴き出し、口もとを扇子で隠してユリにささやいた。
「キングさん、あんなこといってたけど、ばっちり意識してるじゃない、さっきの記事!」
「うんうん、要するに、ほかのチームには絶対負けないってことでしょ? キングさんらしい必勝宣言ていうかー」
「そこのふたり! もたもたしてると置いてくよ! それとも、あんたたちは新調しなくていいのかい?」

──把它拿來在祝勝Party的時候穿上不是挺合適的嗎。」
「她說祝勝Party……
 目瞪口呆的舞在心裡頭反芻著金的話,一會兒不禁噗嗤出聲,用扇子遮著嘴向百合悄聲道。
「金姐,嘴巴上那樣說,其實心裡頭不是也挺在意的嘛,對剛剛那篇報導!」
「嗯嗯,也就是說,絕對不會輸給其他隊伍的意思吧?真是符合金姐風格的必勝宣言啊。」
「那邊那兩個! 再拖拖拉拉的話就丟下妳們不管了唷!還是說,妳們就算沒有新禮服也沒差?」

 

「あ! 行きま~す!」
 ふたりは買い物袋を持って慌ててキングを追いかけた。
──どうせだから、今からパーティー会場押さえちゃいます? ほら、サウスタウンのリチャードさんのお店とか」
「そうだね。ウチの店でパーティーっていうんじゃ、わたしが今ひとつ楽しめないし」
「あそこだったらちょっとくらい騒いでもそんなに怒られないよね。……たぶん」
「わたしの店で騒がれなきゃどうだっていいさ」
「キングさん、けっこうヒドーい!」

「啊! 要去要去~!」兩個人急忙提著購物袋慌慌張張地追上金。
──既然這樣,要不要先去預定一下Party的場地啊?對了,妳覺得南鎮理查那家店如何?」
「說得也是呢。如果在我店裡面辦Party的話似乎會不夠盡興呢。」
「如果是那家店的話再怎麼喧嘩也不會惹人生氣呢。……應該啦。」
「只要不是在我的店裡吵鬧就行了。
「金姐,妳實在太糟糕了!」

 

 長いエスカレーターに乗って、かしましい女たちが階上へと上がっていく。
 彼女たちがふと窓の外を見ると、夕日に暮れなずむロンドンの空に、茜色に輝く飛行船が浮かんでいた。

搭上長長的電扶梯,吱吱喳喳的女子們上樓去了。

她們偶然間抬頭望向窗外,倫敦的天空在夕陽餘輝映照下,染上茜色的飛行船在空中飄浮著。

 

キング・オブ・ファイターズ──
 史上最大の規模で開催される格闘の祭典は、もう間もなくだった。

"King of Fighters"──
史上最大規模的格鬥祭典,馬上就要開始了。

 


─ 
END 
 

 

小舞真的是自我感覺非常良好 ( ′-`)y-~


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