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與其說是Ash的故事,不如說是13的序章還比較適切…
Ash只在其中小小露臉了一小段而已, 
看來就是要保持神祕感到底就是了。
以下正文開始吧: 


Ash Crimson
─上篇
 

 


Ash Crimson
─下篇
 

 

◆◇◆◇◆

 

 紅丸が矢吹真吾の病室を訪ねたのは、面会時間がもうすぐ終わろうかという頃のことだった。
「悪い、久しぶりで日本の渋滞をナメてたよ。もう少し早く来るつもりだったんだが──
「いや、ぜんぜん悪くないっす。むしろありがたいっス!わざわざすいません、二階堂さん」
 ベッドの上に身を起こした真吾は、やってきた紅丸に向かってぺこりと頭を下げた。
「よう、大門先生! こっちもお久しぶり」

紅丸來矢吹真吾的病房探病時,已經是會客時間即將結束的時候了。
「抱歉,離開日本太久所以小看這邊的塞車了。原本是打算更早一點過來的。」
「不不不,完全沒有關係。相反地我還很感激你呢!不好意思還讓你特地過來一趟,二階堂前輩。」
 在床上仰起身的真吾,朝紅丸的方向低下頭。
「唷、大門老師!我們也是好久不見了。」

 

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「うむ」
 先に来ていた大門五郎が、いつもながらのむっつりした顔で応じる。もっとも、大門が決して不機嫌でないのだということは、紅丸にもよく判っていた。朴訥な柔道家のごくわずかな表情の変化を読み取れるほどに、ふたりのつき合いは長い。
 パイプ椅子に腰を降ろした紅丸は、包帯とギプスで全身を覆われた真吾をあらためて見やり、意味ありげに何度もうなずいた。
……意外に元気そうじゃないか、ミイラ男」

「唔呣。」

先來的大門五郎,用他一貫木然的表情回應道。紅丸很清楚,大門絕對沒有不高興。能夠判斷這位木訥的柔道家表情上的細微變化,也是因為兩人相識已久。
 彎身坐下的紅丸,盯著全身包滿繃帶和石膏的真吾,別有含意地點了點頭。
「……意外地很有精神嘛、木乃伊小子。」

 

「いやー、だって俺、身体が丈夫なことだけがとりえですから」
「ま、確かにそうかもな」
「ちょっ、紅丸さん! そこはあれですよ、そんなことないぜっていってくれるとこじゃないんですか?」
 突き放したような紅丸の反応に、真吾は苦笑混じりに頭をかいた。
 草薙京、八神庵とともに前回のKOFに出場した真吾は、大会終盤で突如の暴走を起こした庵から京をかばい、全治数ヵ月の重傷を負った。

「哎呀呀,畢竟我啊,也只有身體結實這事可以拿來說嘴了嘛。」
「嗯, 或許真是這樣也說不定。」
「喂喂、紅丸前輩!一定是這樣的啊,不然一般在那樣的情形下早就掛了不是嗎?」
 像要反駁紅丸的反應般, 真吾臉上滿是苦笑。與草薙京、八神庵一同出場前回拳皇大賽,在大會終盤時庵突然發生“血”之暴走,保護京,真吾受了得花數個月才能完全治好的重傷。

 

それがこうして誰かのささえもなしに身を起こして談笑できるというのは、確かに真吾のタフさの証拠といえるのかもしれない。
 入院から半月もたたずにこれでは、ベッドを降りてトレーニングを再開するといい出すのももうすぐだろう。矢吹真吾というのは、そういう向こう見ずなところのある少年だった。
──それにしても、真吾の分際で個室とはゼイタクだな」
「ああ、この病室を押さえてくれたの、神楽さんなんです」
「ちづるさんが?」
「はい。俺は別にいいっていったんスけど、こうなったのも、もとはといえば自分のせいだからって──
「そうか……

說起來現在還能像這樣坐起身來談笑風生,就是真吾確實很耐操的證明吧。
 入院不過半個月光景,就吵嚷著說很快就能下床走動並繼續去進行鍛練了的話。矢吹真吾,就是一個如此莽撞的少年。
──話說回來,以真吾的身分能有私人病房還真是奢華啊。」
「啊,安排這間病房的,是神樂小姐。」
「千鶴小姐安排的?」
「是的。雖然我跟她說過不用了的,會搞成這副德行,也是我自作自受的結果──
「是嗎……

 

 真吾が、水と油ともいえる京と庵とチームを組み、両者を共闘させようと発奮していたのは、それがを失ったちづるの願いだということを知っていたからだった。
 本来、真吾の負傷に対して、ちづるが負い目を感じる必要はない。もとより格闘家が傷つくのは自己責任以外の何物でもなく、まして真吾の場合、ちづるが出場してくれと頼んだわけでもないのである。
 しかし、それでもちづるにしてみれば、自分がアッシュにを奪われてさえいなければという思いがあるのだろう。八神庵が今になっての暴走を起こしたのは、明らかにオロチの封印が解かれたことが原因だった。ちづるはそのことで余計に自分を責めているのだろう。

真吾會這樣努力的想讓勢同水火的京庵兩人,同組一隊並肩戰鬥,是因為得知了這是喪失力量的千鶴的期望之故。
 本來,真吾所受的傷,千鶴根本無需負責。應該說,格鬥家受傷本來就是自身的問題,再加上千鶴其實從頭到尾根本就不曾拜託真吾出場過。
 然而即便如此,在千鶴眼中,一切都是因為自己的力量被Ash奪走所導致的吧。八神庵會發生“血”之暴走,明顯也是因為大蛇封印被解開之故。對此千鶴感到相當自責。

 

 面会時間の残りを確認し、紅丸は真吾に尋ねた。
──おまえがすぐにブッ倒れちまったから聞くに聞けなかったんだが、
あの時、あそこで何があったんだ?」
「すいません、俺にも詳しいことは……ただ、いきなり八神さんが正気を失ったみたいになって、草薙さんに襲いかかったんです。俺、どうにか草薙さんを助けたくって、八神さんを止めようとしたんですけど──
 そこで言葉を途切らせ、真吾はうつむいた。
……おぬしが気にすることではない」
 大門がそっと真吾の肩を叩いた。

確認了一下會客結束的時間,紅丸向真吾問道。
──雖然當時你一下子就被撂倒了或許沒能聽到什麼,當時在那裡,到底發生了什麼事?」
「真的很抱歉,詳細的情形問我也……不過,八神前輩似乎突然一下子失去控制,就對草薙前輩下手了。我當時就只想著要幫助草薙前輩,阻止八神前輩而已──
 話說到一半,真吾不禁低下頭。
「……不要放在心上。」
 大門輕輕地拍了拍真吾的肩膀。

 

「そりゃそうだ。もしその場にいたのが俺やゴローちゃんだったとしても、暴走した八神を止められたとは思えないからな。ありゃあ人じゃない、まさに怪物だ」
 そんな言葉がなぐさめになるはずがないと、紅丸には判っている。しかし、今はそれ以外に真吾にかけてやる言葉が見つからなかった。
……てことは、アッシュが現れたのはその直後くらいか?」
「あ、はい。……そのへんから俺もよく覚えてないんですけど、とにかく、アッシュさんが八神さんの背後に近づいて、何かこう……人魂? っていうんですか、とにかくそんなようなものを、いきなりしゅぱって引き抜いた感じになって、それで八神さんも倒れて──
「そこに俺たちが駆けつけたってわけか」
「たぶん……

「就是說啊。假如當時在場的是我或者大門,也不認為能夠阻止暴走的八神啊。那已經不算是人類,根本是個怪物了。」
 雖然紅丸知道即使這麼說也無法安慰真吾。不過一時間也想不到其他更好的說詞了。
「……所以說,Ash是不是在那之後就立刻現身了呢?」
「啊、是的。……那之後的事我也不是記得非常清楚,總之,Ash先生從背後靠近八神前輩,那個是什麼呢……鬼火嗎?大概是類似那一類的東西吧,感覺一下子被抽了出來,接著八神前輩就應聲倒下了──
「也就是我們趕到時的情形?」
「大概

 

 紅丸たちが駆けつけた時、すでに京も庵も、それに真吾も、その場に倒れ伏して意識を失っていた。ただひとりアッシュだけが、雨の中で癇に障る冷笑を浮かべていたのである。
……そういえば、あのあとアッシュさんはどうなったんですか?」
「逃げたよ」
 おのれの不手際を認めなければならない屈辱に、紅丸の顔がゆがんだ。
「俺とデュオロンと、それにエリザベートと──3人がかりでとっ捕まえようとしたのに、その目の前で、煙のように消えちまいやがった」
「消えた──だと!?
 珍しく頓狂な声をあげた大門に、紅丸は渋い表情でうなずいた。
「ああ。あれはたぶん、の力ってやつだ」

紅丸他們趕到時,京、庵,還有真吾都已經倒臥在地,失去了意識。只見Ash一人站在雨中,嘴角浮現一抹看了讓人惱火的微笑。
「……話說回來,那之後Ash怎麼了呢?」
「逃走了。」
 對於那不得不認同的拙劣屈辱,紅丸表情扭曲了。
「我和墮瓏、以及伊莉莎白──3個人原本打算要逮住他的,然而他卻在我們面前,如煙一般的消失了。」
「你說──消失了!?」
 對大門少見的激動提問,紅丸繃著臉點點頭。
「是啊。那個大概,是使用了“鏡”之力量的關係吧。」

 

「神楽さんの……?」
 本来ならちづるの手にあるべきの力をもちいて、アッシュは紅丸たちの前から姿を消した。それは、アッシュがその力を完全に自分のものとして使いこなしているということを意味している。
 そして紅丸は、真吾の言葉から、アッシュが八神庵の力をも奪い去ったのだということをはっきりと確信した。次に会う時、おそらくアッシュは、勾玉の力すら我がものとしているだろう。
 大門は眉間のシワを深くし、太い腕を組んだ。

「神樂小姐的……?」

得到了原本屬於千鶴的“鏡”之力,在紅丸他們面前消失了身影。這也代表著,Ash已經能夠將那股力量運用自如了。

而紅丸如今也從真吾的話語中,確信Ash也已取得了八神庵的力量。恐怕下次再碰面時,Ash也能夠使用八神的力量了吧。
 大門眉頭深鎖,粗壯的手臂環抱胸前。

 

……神楽どのに八神と来れば、アッシュの次の狙いが京であることは明白だが……
「そうだよ、肝心の京のヤツはどこにいるんだ?」
…………
 真吾と大門は顔を見合わせ、無言で首を振った。
「検査入院したんだろ? 病院はどこだよ?」
「病院はここだったんですけど、ロクに検査もしないうちにすぐに抜け出して姿をくらませちゃって──
「あのバカ……!」
 額に手を当て、紅丸は呻いた。

「……先是神樂跟著是八神的話,Ash下一個目標是京這點已經很明白了……」
「對啊,而現在最重要的京那傢夥人在哪裡呢?」
………
 真吾與大門彼此互望了一眼,默默地搖了搖頭。
「在入院檢查吧?是哪一家醫院?」
「也是在這間醫院,不過在詳細檢查之前一下子就溜出去不見人影了──
「那個笨蛋!」
 用手按著額頭,紅丸嘆了口氣。

 

いかにも口うるさそうな看護婦に追い立てられ、紅丸と大門は病院をあとにした。
 すでに日は暮れ、あたりには蒸し暑い真夏の夜の帳が降りている。街灯に照らされた通りを並んで歩きながら、紅丸は大門に問うた。
「京のヤツ、今頃何してると思う?」
「さて……
「らしくもなく、山ごもりでもしてんのかね?」
……前にも一度、このようなことがあったな」
「ああ。人に努力する姿を見せたくないってのは判るけど、あいつの場合、少し極端なんだよな」

被嘮叨的護士驅趕,紅丸和大門離開了醫院。

天色暗了下來,四周被暑氣蒸騰的盛夏夜帷幕給籠罩。在街燈映照的路上並肩走著,紅丸向大門問道。
「你認為京那傢伙,現在在做什麼呢?」
「看來……
「不會是,又跑到深山裡面躲起來偷偷修行了吧?」
「……以前也曾做過一次相同的事呢。」
「啊啊。我是能夠理解不想讓人看到自己努力的心情啦,不過那傢夥的情形,倒是稍微有些極端啊。

 

 不意をつかれたとはいえ、八神に一撃で昏倒させられた事実は、おそらく京のプライドをいたく傷つけただろう。それを払拭するために、京が人知れず技に磨きをかけているであろうことは容易に想像がつく。
……京のほうはこれで大丈夫だな」
「ひとりで行動させておくのはあやうくはないか?」
「だからといって、あいつが俺たちに護衛されることを喜ぶとは思えないけどね」
……確かにそうだが」

雖說是在疲累中冷不防地被攻擊,但光一擊就被八神給擊昏是事實,恐怕這大大地傷了京的自尊心吧。可以很容易地想像京為了要雪恥,正暗中磨練著不為人知的招式吧。
「……京的話這樣一來應該沒問題了吧。」
「讓京一個人單獨行動不會太冒險嗎?」
「就算這麼說,讓我們來保護他也不會感到高興的吧。
……確實是這樣沒錯。」

 

「結局、強くなりたいなら自分でどうにかするしかないのさ、ここまで来ちまったのなら。俺たちだってそうだろ?」
 大門が重しくうなずいた。柔道の世界で何度も頂点に立ったことのある男は、おのれを磨くということの厳しさを誰よりもよく知っている。
「あとは八神の動きが気になるが──そっちはまあ、京が動けばおのずと、ってところだろ。さしあたって俺たちにできるのは……
「どうだ、紅丸? あすにでもウチの大学の道場に来んか?」
「おいおい、勘弁してくれよ」

「結果一路走來,想要變強的話還是只能靠自己了。我們不也是如此嗎?」

大門嚴肅地點點頭。這位曾多次立於柔道世界頂點的男子,比任何人都清楚要磨練自己的嚴苛。
「雖然我也很在意八神之後的動向──不過那邊的情形,只要京有所行動的話自然就會明瞭吧。現下我們所能做的就是……
「怎麼樣、紅丸? 明天要不要來我大學的道場玩玩?」
「喂喂饒了我吧。」

 

 野太い笑みを浮かべたチームメイトを見上げ、紅丸は苦笑混じりに肩をすくめた。
「こっちはきょう帰国したばかりなんだぜ? まだ時差ボケも治っちゃいないんだ、あしたはゆっくりと休ませてくれよ」
「冗談だ。体調管理も重要な仕事だからな」
……ゴローちゃんが冗談をいったぜ。あしたは大雨だな」
 胸のうちにふくらむ不安を強引に笑みで押しのけ、紅丸は星の少ない夜空を見上げた

望著露出不懷好意笑容的隊友,紅丸苦笑著聳了聳肩。
「我可是今天才剛回國的耶? 時差都還沒調整過來啊,明天就讓我好好休息一下吧。」
「開玩笑罷了。身體管理可是件大事啊。」
「……五郎醬竟然會講笑話,看來天要下紅雨了。」
 壓抑著心中的不安強笑著,紅丸抬起頭來仰望幾無星辰的夜空。

 

◆◇◆◇◆

 

 大聖堂の傾斜のきつい天蓋の縁に腰を降ろし、足をぷらぷら揺らしながら、
星の少ない夜空に向かって手をかざす。
 ネイルアートのできばえに満足げに笑った少年は、その指先に緑色の炎をともした。
 その炎が、時に赤く、時に青く、ゆらゆらとゆらめくたびに色が変化していく。それを見つめる少年の口もとには、何ともいえない乾いた笑みが張りついていた。
 セーヌ川北岸、パリ18区。街でもっとも高い丘の上に建つ大聖堂は、パリでも指折りの観光名所だが、さすがにこのような場所にまで立ち入る観光客はいない。
──アッシュ・クリムゾン」
 不意に飛んできた女の声に、少年はあざやかな炎を握り潰して視線をめぐらせた。
「おまえがその力を手に入れたのは、炎をもてあそぶためではあるまい?」
「牡丹サン……だっけ?」

在大教堂陡峭的天篷上彎下腰,身形不穩搖搖晃晃地站著,對著少有星辰的夜空舉起手來。
 似乎對自己的指甲彩繪感到滿意的少年,從指尖燃起了綠色的火焰。
 火焰在晃動中顏色變換著,時而轉紅、時而變綠。凝視著的少年,嘴角流露意義不明的笑容。
 這裡是塞納河北岸,巴黎18區。在高於街道的山丘上所建造的大教堂,雖然在巴黎也算首屈一指的觀光聖地、不過在這樣的地方是不會有觀光客打擾的。
──AshCrimson。」
 對於突然響起的女聲,少年握熄手中鮮明的火焰,視線轉了過來。
「你取得這股力量、不會是只想拿來玩玩而已吧?」
「妳是……牡丹小姐吧?」

 

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 いつの間にそこへやってきていたのか──同じく天蓋の縁に危なげなく立つ若い女を見やり、少年は冷淡に微笑んだ。
──わざわざそんなこというためにモンマルトルまで? けっこうヒマなんだ、アナタたちって」
「くだらん」
 牡丹と呼ばれた女は憤然と眉を吊り上げ、手にしていた白い封筒を少年に投げ渡した。
……今度の大会の招待状だ」
「へえ」
 指先ではさみ取った古式ゆかしく赤い封蝋の捺された封筒を一瞥し、少年はそばかすの散る鼻をひくつかせた。
──ボクにもくれるんだ? 律儀なんだネ」

看著不知何時來到──穩穩站在同個天篷邊緣的的年輕女性,少年冷淡地微笑著。
──有必要這樣特地來蒙馬特一趟嗎?你們真的是很閒耶。」
「少廢話。」
 被稱作牡丹的女人惱慍地柳眉直豎,將手中的白色信封擲向少年。
……這是這屆大會的邀請函。」
「嘿。」
 以指尖捏住用古式紅蠟彌封的信封,少年瞥了一眼,用滿是雀斑的鼻子嗅了嗅。
──連我也有份嗎? 真是禮數周到啊。」

 

「いよいよ最後の仕上げだ、ぬかるなよ?」
「別にボクはアナタたちの部下じゃないんだ。いちいち指図するの、やめてくれるかな?」
「貴様──
 少年の不遜な言葉に色めきたった牡丹は、しかし、すぐにその怒気を鎮めて大きく嘆息した。
……自分の立場というものを、もう少し冷静に考えることだな。貴様がそうしていきがっていられるのはどなたのおかげなのか──あまり調子に乗ると、身を滅ぼすことになるぞ?」
「ご忠告どうもアリガト、牡丹サン。せいぜい使えねえヤツっていわれないようにがんばるヨ」
「それともうひとつ」
「まだ何かあるわけ?」

「工作終於到達最後階段了,可不要鬆懈喔?」
「我可不是你們的部下,不要每件事都對我下命令行嗎?」
「你這──
 少年的出言不遜令牡丹臉色一變,不過她隨即壓抑住心中怒火,大大地嘆了口氣。
你也該稍微冷靜地多考慮一下自己的立場了吧。你能走到這一步到底是託誰的福呢──若太過得意忘形的話,可是會自食惡果的喔?」
「非常感謝妳的忠告,牡丹小姐。我會儘可能努力不被人說是一個“無用之徒”的。」
「還有一件事。」
「還有什麼事嗎?」

 

……ブラントルシュの女が、おまえを捜してパリに入ったようだ」
「ベティが?」
 一瞬、少年の顔から笑みが消えたが、その驚きの表情はすぐにまた笑みによって覆われた。
「邪魔になるようなら貴様が始末しておけ」
 そういい残して、牡丹の姿がパリ市内を見下ろす殉教者の丘から静かに消えていく。
「あーあ……
 招待状を無造作にたたんでポケットに押し込んだ少年は、長く伸びた前髪をいじりながら、うんざりしたようにぼやいた。
「ベティも相変わらずマジメだね。もう少しのんびりできると思ったのに……
 次の瞬間、少年の姿が赤い陽炎に包まれ、その場から消失した。

「……布蘭特爾休家的女人,為了找你到巴黎來了。」
「貝蒂嗎?」
 少年的臉上一瞬間失去了笑容,不過吃驚的表情旋即又被笑容所掩蓋。
「若是她變得礙事的話就把她收拾掉吧。」
 留下這句話後,牡丹的身影從俯視巴黎市的殉教者山丘上悄無聲息地消失了。
「啊啊……」
 少年將邀請函隨意的塞進口袋裡,用手指捻著前端垂下的長髮,同時一臉厭煩地抱怨著。
「貝蒂總是這樣一板一眼的啊。明明就能夠活得更輕鬆一點的說……」
 下一秒,少年的身體被紅色的火焰包圍,消失了蹤影。

 

◆◇◆◇◆

 

 THE KING OF FIGHTERSを開催する。 ──以上『R

 驚くほどシンプルな内容の招待状を受け取った時、二階堂紅丸が軽い驚きを覚えたのは、その素っ気ない文面にではなく、前回大会からさして間を置かずに今度の大会の開催が決定したからだった。
「差出人は『R──か。懐かしいね」
 見覚えのある赤い封蝋に、思わず口もとがゆるむ。
「今回の主催者……果たして何者だ?」
 青いオープンカーの後部座席をひとりで占拠していた大門が、時を同じくして自分のところにも届いた招待状を見つめ、低い声で呟いた。
「ルガールはヤツの本拠地とともに自爆したはずだが──

拳皇大賽即將舉辦。 ──以上『R

 收到這封內容簡短的邀請函時,讓二階堂紅丸微微感到驚訝的,不是因為只有簡短的潦潦數語,而是前回大會才剛結束,就立刻決定要再舉辦這屆的大會了。
「寄件人是『R──嗎。真令人懷念啊。」
 對著熟悉的紅色封蠟,不禁脫口而出。
「這次的主辦人到底是誰呢?」
 一個人就坐滿了藍色敞篷車後座的大門,同時看著自己也收到的邀請函,低聲呢喃道。
「路卡爾那傢夥確實是在他的基地自爆了才是──

 

「ちづるさんからの情報だと、今度の大会は世界各国のマスコミも動かしてかなり大的にブチ上げるらしいからな。正式な記者会見が開かれれば、主催者の正体もおのずと判るさ」
 ラジオから流れてくる曲に合わせてリズムを取りながら、紅丸はハンドルを握っている。空港へのハイウェイを走るオープンカーのボディが、陽光を跳ね返して青く輝いた。
──それにしても京のヤツ、俺と入れ違いに海外に行ってたとはね」
「山ごもりよりは、らしくはあるが」
「ま、努力が嫌いな京が率先して修行してきてくれたってのは、こっちとしては頼もしい話だよ」

「依據千鶴小姐那得來的情報,似乎這次的大會世界各地的媒體都大肆報導著呢。一旦召開正式的記者會,相信就能清楚主辦者的真實身分了。」
 一邊隨著廣播中播送的曲子旋律和著,紅丸握住了方向盤。在開往機場的高速公路上奔馳的敞篷車車身,在陽光照耀下閃耀著寶藍色光輝。
──話說回來京那傢伙,跟我同時都跑到國外去了呢。」
「比起在深山修行,來得更有搞頭嗎。」
「總之,一向討厭努力的京趕著跑去修行,我倒是覺得挺可靠的喔。」

 

 紅丸のもとに京から連絡があったのはゆうべのことだった。詳しい事情は何ひとつ説明しないくせに、あした帰国するから空港まで迎えにきてくれという一方的な電話だったが、紅丸にしてみれば、腹が立つより先に京の無事を確認できて安堵したというのが、いつわらざる心境だった。
 広とした空港の駐車場に愛車を停め、紅丸は唇を吊り上げた。
「さて……それじゃ久しぶりに、日本最強チームの顔合わせといきますか」
 オロチと戦った時も、ネスツと戦った時も、結局はこのメンツに帰ってくる。KOFの常連といわれるチームは数多くあれど、自分たちこそが最強だという自負が、紅丸にはあった。
 爆音を響かせて滑走路へと舞い降りていくジャンボジェットを見上げ、紅丸と大門は空港のロビーへと向かった。

紅丸與京連絡上是傍晚的事。雖然明明沒有說明原委,只是單方面拜託明天來機場接機的電話,說是生氣,能確認京平安無事而感到安心才是紅丸的真心話吧。
 在偌大的機場停車場停好愛車,紅丸揚起嘴角。
「這樣一來不就是久違的,日本最強之隊的再聚首了嗎。」
 跟大蛇之戰時也是,與NESTS之戰時也是,結果最後都仍是回到了相同的隊伍。被稱為KOF常勝軍的隊伍雖然有很多,但紅丸有著他們三人所組成的隊伍才是最強的自負。
 仰頭看著發出爆音的噴射機緩緩在跑道上降落,紅丸與大門朝空港的大廳走去。

 

◆◇◆◇◆

 

 シャルル・ド・ゴール空港からイル・ド・フランスでパリ市内へと入ったデュオロンは、時差ボケで大あくびを連発している連れを一瞥し、冷ややかな微笑を浮かべた。
……あンだよ?」
 デュオロンの視線に気づいたシェンが、眉をひそめて尋ねる。
「花の都にこれほど似合わない男も珍しいな」
「うるせえ」
……今のうちにいっておくが」
 改札を抜けて地上に向かうエスカレーターに乗ったデュオロンは、
毒づいているシェンに釘を刺した。
「今回のチームリーダーは、おそらくおまえが一番嫌うタイプの女だ」

從夏爾.戴高樂機場搭乘RER電車來到巴黎市的墮瓏,瞥了一眼因時差而呵欠連連的同伴,冷冷地微笑著。
「……怎樣啦?」
 注意到墮瓏視線的神武,皺起眉頭尋問道。
「與這花都如此不合襯的男人還真是少見呢。」
「少囉嗦。」
「……我們現在要去找的,」
 通過閘門搭上通往地面電扶梯的墮瓏,向嘴上絮叨不休的神武叮囑道。
「這次的領隊、恐怕是你最討厭那一型的女人。

 

「口が達者で高慢で鼻っ柱が強いってか?」
「どれも当てはまる」
「おい」
「もうひとつ、向こうが一番嫌いなタイプの男は、おそらくおまえだろう」
「おい」
「そうしたことをすべて呑み込んだ上でうまくやれ」
「気楽にいってくれるぜ……だいたい、俺をメンバーに加えたいってんなら、向こうが上海まで迎えにくるのがスジってモンじゃねえのか?」
「そういうへりくだり方を知らないお嬢さまだということさ。……プライドの高さを少くすぐって、適当にあしらっておけばいい」

「是口齒伶俐,心高氣傲還是個性倔強啊?」
「全部都是。」
「喂。」
「另外,我想她最討厭的男人類型,應該也是像你這一種的。」
「喂。」
「不管發生什麼事都要好好地忍耐啊。」
「你倒是說得挺輕鬆的啊……而且照理來說,想要我入隊的話,也該是她來上海接我才對吧?」
「她是不懂這方面禮節的大小姐啊。……就稍微適當地迎合一下她高傲的自尊心吧。」

 

「チッ……おまえとちがって俺は正直者なんだよ。腹が立つことがありゃァはっきりといわせてもらうぜ」
「それはかまわん。……だが、あくまで俺たちの目的はアッシュを見つけ出すことだ。それを忘れるなよ」
「いわれるまでもねえ。……あの小僧、1発ブン殴って泣かしてやらなきゃ気がすまねえぜ」
 すでにくしゃくしゃになっている招待状の封筒をポケットに押し込み、
シェンは両手のグローブをはめ直した。
 地下鉄のホームから地上へと上がってきたふたりを、
パリの華やかな陽射しが出迎える。
 シェンだけでなく、自分もまたこの街には不似合いだということを自覚しながら、デュオロンはパリの大地を踏み締めた。

「啐……你們都把我當作老實頭就是了。要真發生什麼讓我暴怒的事情我會把你當作出氣筒盡情發洩的喔。」
「那倒是無所謂。……不過,說到底我們的目的是要把Ash給找出來。這一點你可別忘了。」
「不用你多說。……那個小子,不狠狠一拳揍到他哭出來我可嚥不下這口氣呢。」
 將已經皺成一團的邀請函塞進口袋裡,神武重新戴上了手套。從地下鐵月台來到地面上的兩人,沐浴在巴黎耀眼的陽光之中。
 不只是神武,同樣自覺與這街道格格不入的墮瓏,腳步穩穩地踏上巴黎的土地。

 


─ 
END 
 


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