KOF XI餓狼チームストーリー
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KOF XI 餓狼隊故事
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「キムのダンナ、ばんざーい!」 「健闘を祈ってるでヤンス~!」 チャンとチョイの空々しい、いや嘘くさい、もとい懸命なエールを受けながら、キムとテリーは空港のロビーで人を待っている。 この異例の取り合わせが決まるまでには、もちろん紆余曲折があった。
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「金老大,萬─歲!」 「我們會祈求你武運昌隆的啦~!」 在陳和邱拉開嗓門、虛情假意拼命呼喊的聲援聲之下,金和泰瑞在機場大廳等著人。 會產生這種破例的組合,當然是有一段迂迴曲折的故事了。
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度重なるアンディとのすれ違いに業を煮やした舞が「そうよ二人で参加『しなければ』いいのよ」と、強引にKOF期間中にバカンスを決め込むと、ムエタイのタイトルマッチとバッティングしてしまったジョー・東も不参加。去年チームを組んだグリフォンマスクは既に別チームでエントリーを済ませていたとあって、一時期テリーは途方に暮れていたものである。
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因一再與安迪擦身而過而腦怒的舞說了「對啦只要兩個人『都不參加』就行了」這番話,強行在KOF賽事期間中安排了渡假,而為了泰拳的頭銜戰而進行打擊訓練的東丈也不會參加。 去年一道組隊的獅鷲假面葛立芬則已經加入了別的隊伍,一時間泰瑞還真是走投無路了。
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そこにノコノコと現れたのが、ネギを背負ったカモならぬダックであった。 「ヘイ、テリー? ずいぶん感じが変わったなア」 派手な服装にサングラス、髪型はモヒカン、独特のステップとハイ・トーン。 サウスタウンのちょっとした名物男、ダック・キングとの再会に、テリーは闇夜に光明を見出した気分だった。しかも、 「KOF? OKOK、ちょうど退屈してたところだぜェ♪」
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此時漫不經心現身的,是送好事上門的達克。 「嘿,泰瑞?感覺你變了不少呢。」 穿著華麗服裝配上墨鏡,留著莫西干頭,以及獨特的步法和高音調。 在南鎮還算小有名氣的奇人,與達克.金再會,讓泰瑞感覺像在一片黑暗當中乍見一線光明。而且, 「KOF?OKOK,正巧這陣子我也正嫌無聊沒事幹呢♪」
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と、その場で二つ返事で引き受けてくれたとなると、ダックの濃い顔が神々しくさえ見えてくるから不思議である。 「で、あと一人はどうするんだテリー。KOFは三人で一チームだろ?」 「ああ、それにはアテがあったんだが・・・・・・」
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就這樣當場爽快地連聲答應了,達克那深遂五官看上去竟會如此神聖莊嚴,直叫人感到不可思議。 「那麼,還差一個人該怎麼辦啊泰瑞。KOF是一隊三人沒錯吧?」 「是啊,雖然我心裡倒是有不錯的人選啦……」
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テリーはキム率いる韓国チームから、ひとり分けてもらうつもりだったという。 確かに去年の大会では、ジョン・フーンの参加によってチョイ・ボンゲが不参加となっていたから、今年もと考えるのは自然の流れである。 ただ、今年はそのジョンが参加しないため、韓国チームは3人で定員ピッタリとなってしまうのだ。
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原來泰瑞打算把金一個人從韓國隊拉過來。 確實在去年的大會中,因全勳的加入,所以變成邱豐凱沒有參賽,而今年本來自然會依照這方式來組隊才是。 然而,因為今年全勳不參賽的緣故,韓國隊就變成剛好符合3人參賽的規定了。
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「チッチッ、テリー、じゃあキムを誘えば万事解決じゃないのか?」
「そりゃあキムが参加してくれれば心強いが、それは無理だろう」
「なんで」
「チャンとチョイがあぶれちまう。あいつらだってKOFを目標に鍛えてきたんだ。俺たちが割り込んだら気の毒じゃないか」
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「嘿嘿,泰瑞,那麼你去邀金過來不就萬事OK了嗎?」 「金若是能夠加入的話當然是很讓人放心,不過應該不行吧。」 「為何。」 「這樣子會害陳和邱組不成隊啊。他們也是每天以KOF為目標努力鍛練過來的。若我們橫刀奪人的話他們不是太慘了嗎。」
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ダックは大げさに首を振った。やれやれ、仕方ないなこの男は・・・・・・といった風情である。 「あのなテリー、よーく考えてみろよ」 「? あ、ああ」 「あのキムの弟子二人は、自分から進んでKOFに参加してるのか?」 「・・・・・・」 「な?」
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達克大動作地擺著頭。看起來就像是在說……哎呀呀,這男的還真是無藥可救了。 「我說啊泰瑞,你試著好─好地想一想。 「?啊,嗯嗯。」 「那個金的弟子兩人,會自己跑去參加KOF嗎?」 「……」 「對吧?」
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「テリーのダンナ、ダックのダンナ、ばんざーい!」 「優勝を信じてるでヤンスよ~!」 この話を持ちかけたところ、渋るキムとは対照的に、チャンとチョイはその場で踊り出し兼ねない様子で、テリーの提案を全面肯定した。 「キムのダンナも、たまには俺たちを切り離して、レベルの高い闘いを目指すべきだぜ」
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「泰瑞大哥、達克大哥,萬─歲!」 「我相信你們一定會拿到優勝的啦~!」 當提出這建議時,與面有難色的金對照,從陳和邱差點當場手舞足蹈的樣子看來,是完全贊同泰瑞的提案了。 「金老大偶爾也是該與我們分開,目標朝向更高水準的戰鬥才對。」
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「アッシたちはこの次のKOFへ向けて長期計画でトレーニングするでヤンス」 などと心情を粉飾し、正当化することも忘れていない。3人が飛行機に乗り込んだ今も、ロビーで小旗を振りつつ、3人の門出を祝福して殊勝さをアピールしている。 どんな小知恵がついたのやら、たとえキムが難癖をつけたくとも、穴らしい穴を見つけることはできなかっただろう。
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「我們也是為了這次的KOF一直在做長期訓練計畫的啦。」 仍然沒忘記要掩飾真正的心意,講出正當化的理由出來。即使到3人即將搭飛機起程的這天,依然在大廳揮著小旗子,表現得對3人的出發給予高度祝福。 看來是有些小聰明,即使金有些愛吹毛求疵,應也找不出可挑毛病之處吧。
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「今回は教育も更正も抜きか。キム、少し物足りないんじゃないのか?」
「そんなことはありませんよ、はっはっは・・・・・・」
いつもの爽やかな笑顔も、心なしかキレがない。
このままでは試合でも実力を100%発揮してくれるかどうか・・・・・・。
テリーは一計を案じ、キムを肘でつついた。キムを挟んで反対側のシートに座っているダックに聞こえないよう、声のトーンを低める。
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「這次參加無需進行教育和更正了。金,會不會覺得少了些什麼啊?」 「沒有那麼回事,哈哈哈……」 雖仍是一臉颯爽的笑容,卻好像心不在焉,沒有往日的英氣。 一直是這個樣子的話在比賽時究竟能否發揮100%的實力呢……。 泰瑞心生一計,用手肘戳了戳金。拉著金為了不讓坐在座位另一側的達克聽到,壓低聲音說道。
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「なぁキム。ダックのことだけど、いつまでもあんな格好で将来は大丈夫かな」 「・・・・・・」 「あいつの将来を考えたら、このKOFを機に『更正』してやった方がアイツのためかも知れないぜ?」 「なるほど・・・・・・。確かにテリーさんのおっしゃるとおりかも知れません」
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「我說金。關於達克啊,一直都打扮成那副德行,將來真的沒問題嗎。」 「……」 「為了那傢伙的將來著想,趁這次KOF的機會對他進行『更正』或許才是真的為了他著想才是?」 「原來如此……。也許正如泰瑞兄所言。」
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いくらか覇気を取り戻したキムは、腕組みをして考え込んだ。 その反対側の座席に座っていたダックが、キムを肘でつついた。 「ヘイ、キム。テリーのことなんだが、いつまでも定職に就かずに風来坊を続けてちゃダメだよな?オレはトモダチとして心配してるんだゼ?」 「・・・・・・」 「テリーにまっとうな生活ってもんを『教育』できるのは、キム、おまえだけだぜ?」
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回復了不少霸氣的金,抱著胳膊沈思著。 而坐在另一側座位的達克,用手頂了頂金。 「嘿,金。關於泰瑞啊,一直都不去就職當個流浪漢下去是不行的對吧?我們做為朋友也很為他擔心呢?」 「……」 「能夠『教育』泰瑞過像樣生活的,也就只有金你一人而已囉?」
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「なるほど・・・・・・。確かにダックさんのおっしゃることにも一理ありますね」 キムはさらに一層元気を取り戻した。 組んでいる腕にも力が入る。 今度のKOFに臨むにあたって新たな目標を得た彼は、それに向かって着実に行動を開始するに違いなかった。 そんなテリーとキムとダックを乗せて、飛行機がサウスタウンの空に舞い上がった。
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「原來如此……。確實達克兄你說的話是有幾分道理。」 金又更加回復了一層元氣。 抱著胳膊的雙手又更加有力了。 在這次即將到來的KOF賽前取得了新的目標,看來他肯定會為此扎實地展開行動吧。 載著泰瑞、金和達克的飛機劃向南鎮上空的天際。
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「・・・・・・行っちゃったでヤンスね」 「だな」 「あの二人、キムのダンナのことをちっともわかってないでヤンスね」 「全くだぜ」 「どんな風に更正されて戻ってくるのか、ちょっとだけ楽しみでヤンス」
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「……他們已經走掉了的啦。」 「是啊。」 「那兩個人,完全不了解金老大為人的啦。」 「說的一點不錯」 「到底回來時會被更正成什麼德行,還真稍微有些期待的啦。」
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「・・・・・・」 「・・・・・・」 「でも、ほんの少しだけ寂しいでヤンスね・・・・・・」 「ああ、ほんの少しだけな」
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「……」 「……」 「不過,還真有一丁點感到寂寞的啦……」 「啊啊,不過就只那麼一丁點而已啦。」
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